ときどきサックスの日々

サックス所持歴20年、タンスの肥やし歴17.8年のベテラン初心者

ケニーGにあこがれて

サックスを吹きたいと思ったのがかれこれもう20年前。そのきっかけになったのがこのアルバム。

Breathless Breathless
Kenny G

Arist
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ケニーḠ「ブレスレス」。アルバムの最初の曲の、最初の音を聞いた瞬間に自分が聴きたかったのはこういう音楽だったんだ、と感じたほどなめらかで息を飲むような美しいメロディー。さわやかなメロディーは朝聴けば一日が清々しい気持ちで過ごせそうな気持ちにさせてくれるし、夜聴けばその日の憂さや苛立ったあれこれも忘れてゆっくり眠れそうに心が落ち着く。そんな音楽それまで聞いたことがなかった。当時はジャズなんかも一丁前に聴いていたけどホントはジャズはどうもピンとこなかった。悪くはないんだけど夢中にはなれなかった。

 

スムース・ジャズというジャンルが確立したのもケニーḠがいたからこそ。聴きやすいけれど中身の薄い音楽と軽んじる向きもあった。日本のある有名なジャズ雑誌なんかは頑としてケニーḠを認めようとせず取り上げることがまったくなかった。小難しいジャズ理論にこそ価値があると思い込んでいるような連中にはケニーḠは興味の対象ではなかったのだろう。理論上、簡単なことしかやってなかったから。しかし音楽は耳で聞くもので楽譜を見て良し悪しを判断するものではない。多くの人がケニーḠを聴くようになったのは単純に聴いていていいものだと感じたからに他ならない。私も20年以上聴いているが未だに飽きることがない。

 

時代は変わった。今や頑迷なジャズ愛好家が支持する音楽は世の片隅に追いやられ、代わりにスムース・ジャズがその地位を奪った感がある。

 

わたしはそれまで楽器経験などまるでなかったのだが、ケニーGをきっかけにどうしてもあれをやりたい、と手にしたのがおんぼろのYAMAHAのYAS32というアルトサックス。ほんとはケニーGのようにソプラノを吹きたかったのだが、多少経験のある人(本人がそう言ってた)にソプラノは難しい、初心者はアルトから始めるべきと勧められて手に入れたのがYAS32。中古で10万ほどだったかな。あの当時は今より楽器の値段は総じて高かったように思うし、まあこんなものだろうとしか考えなかったが、自分が買ったYAS32ははっきりいって失敗だった。全体に薄汚れて掃除をした形跡もなく、調整もろくにされてないらしくトーンホールをきちんと塞いでいなかった。タンポが固くなっていて通常ならばオーバーホールが必要な状態だった。10万出せばもっとましなものが当時でも買えたはずだ。しかしなんの知識もない自分はそんなことには気づかず、金ピカの楽器(かなりラッカーは剥げていたが)を手にしてご満悦だった。

 

 しばらくはあれこれ楽しくいじってみたけど、まともに音が出ない楽器と、自信の音楽に対する知識経験不足もあってだんだん行き詰まってゆき、さらには健康面の問題も重なり、結局、ケニーGはおろか、簡単な曲すらもまともに吹けないまま押入れにしまわれることになってしまった。そのYAS32は今はもう売ってしまって手元にない。

 

 それでも心の何処かにあきらめきれない思いがあったらしく、7,8年前におどろくほど安いソプラノを見つけて衝動買いしてしまった。新品なのに5万円台とあのYAS32は何だったのかと言いたくなるほどの値段だった。

 

 これでようやくケニーGの真似事ができる、と喜んだものの、ソプラノだって音は馬鹿でかい。どう考えても家の中で吹けるようなシロモノではなかった。アルトのようにきちんと音が出ないという悩みこそなかったが結局ろくに練習もせずにまた押入れに。

 

去年、ふと、もう40代という年齢も考えれば今やらなければ一生ものにならないな、と思い、たまたま家のすぐ近くに貸しスタジオがあるのを発見したのを幸い(昔バイトしていたすぐ近くでこんなところにあるのに今まで気が付かなかったのか不思議)、一大決心。

 

今度こそケニーGを、20年前からずっと聴き続けているあの曲を吹くんだ!

 

・・・と意気込んだのはいいけどそれから10ヶ月、その間練習に行ったのは確か6回。ほんとに吹けるようになるのかな。